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アタックの多い国からのIPを弾く!

iptablesも無事インストールが終了したのでIPのフィルターを行ってみます。

アタックの多い国のIPと設定をまとめたサイトがあるので参考にさせてもらいました。

韓国 IP アドレスからのパケットを遮断する
※既にリンク先のサイトはなくなっているようです

この設定を行えばフィルタリング出来るのですが再起動するとfilterはクリアされてしまいます。
そこでスクリプトを作成してrc.localでスクリプトを動かすようにしました。

スクリプト用のディレクトリーの作成。
mkdir /etc/krfilter

filterスクリプトをDLして
/etc/krfilterの下にALL2.shとして保存しました。
※既にリンク先のサイトはなくなっているようです
次にフィルター作成と反映のスクリプトを作成します。
vi krfilter.shで新規作成

--------------

# krfilter init script for iptables

echo “initialize start krfilter.”

# make krfilter
iptables -N KRFILTER
iptables -N KRFILTERED

# add filter
sh /etc/krfilter/ALL2.sh

# set accept
iptables -A KRFILTER -j ACCEPT

# set reject
# comment output log
#iptables -A KRFILTERED -j LOG –log-prefix “Rej-TCP “
iptables -A KRFILTERED -j DROP

# initialize
iptables -A INPUT -p tcp -m state –state NEW -j KRFILTER

echo “krfilter initialized.”

--------------

スクリプトを保存して/etc/rc.localにこのスクリプトの実行を登録します。

vi /etc/rc.local

exit 0 よりも前に

sh /etc/krfilter/krfilter.sh

の一行を追加します。

これで起動時にフィルターが適用されるようになります。
(rc.localに書くと他のデーモン起動後に適用されますのでデーモンより前にフィルターしたい場合はそれなりの場所で起動させて下さい)

これでフィルターの設置は完了です。
再起動して実際に適用されたか確認してみましょう。

iptables -L

ズラズラと設定内容が出てきますのでCTRL+Cで適当なところで止めてもOKです。

EABI環境でiptablesコンパイル

いよいよ問題のiptablesコンパイルです。
まずはiptablesのソースをwebから取得します。
Iptables-1.3.8
ソースを適当な場所に解凍します。
そのままコンパイルすれば普通にビルドされます。
しかしエラーが出て動きません!(apt-getでのinstallと同じエラーが出ます)

これを解決するのに調べに調べてあるサイトに辿り着きました。(マジで情報少なくて苦労しました・・・)
ARM gcc バッドノウハウ集
このサイトの「8. EABI と legacy ABI」にgccコンパイル時のオプション指定方法が載っているじゃないですか!
(このサイトには本当に感謝しています)

コンパイル時にgccのコマンドオプションにEABIな事を伝えれば良いようです。
gcc -mabi=aapcs-linux
ではMakefileにこの設定を反映させる方法はと・・・
先頭行にこの一行を追加してください。

CC = gcc -mabi=aapcs-linux

こうすることでmakeした時に自動的に $(CC) を gcc -mabi=aapcs-linux に置き換えてくれます。
早速コンパイル開始です!
何のエラーも無く無事コンパイルが終了しました。
ではmake install してインストールしましょう。
depmod -a & 再起動後にiptablesが動くか確認してみます。

iptables -L

上のコマンドでエラーが出なければ無事コンパイル&インストールは完了です!

ここまで来るのに一週間くらいは考え込んじゃいました(笑)

EABI環境でkernelの再構築

まずARMなLinkstationではKernelがEABIという形式でコンパイルされていることを理解しましょう。
興味がある人は「debian EABI」で検索すれば少ないですが情報は取得出来ると思います。

LinkstationのkernelはこのEABIでコンパイルされているので
通常のapt-get install iptablesでiptablesをインストールしてもエラーが出て動きません。

サイトを検索するとkernelコンパイル時にEABIをOFFにしてOABIでコンパイルしている方が殆どのようです。
しかしこれは初心者には大変危険な方法なのです。
xfsでフォーマットしているファイルシステムは壊れてしまうことがあるのです!
(これもサイトを検索すれば色々と出てきます)
実際に一度OABIでコンパイルして動かしてみたら見事にファイルシステムが壊れました・・・
(おかげでこのサイトも数日止まってしまいました)

ではウンチクはこの辺で終わりにして実際にkernelのコンパイルを行います。
iptables有効なkernelのコンパイル方法を掲載したサイトはは沢山あるので要点だけ書きます。
まずはLS-GLのGPLなソースをバッファローからDLします。
GPL/LGPL Resource -BUFFALO INC.-
(DLするファイルはlinux-2.6.16_lsp.1.7.8.tar.gzです)
DLしたら適当な場所に解凍してmake menuconfigします。

設定画面が出たらrouting関連を全てチェックしnetfiter関連を全てのモジュールにしてから保存します。
(network filterはEnterキーで詳細項目の設定に移行します)
準備が出来たらmakeコマンドでコンパイルの開始です!
(事前にapt-get update と apt-get upgrade でGCCのバージョンを最新にしておいてください)
次にmake modulesコマンドでmodulesもコンパイルします。

コンパイルがうまく出来たらuImageとmodulesを組み込みます。
uImageはソースファイルの下の/arch/arm/bootの中にuImageで出来上がっています。
これを/bootにuImage.buffaloとしてコピーします。
modulesは INSTALL_MOD_PATH=/ make modules_installでinstallします。
終わったらdepmod -aでmodulesを反映させときます。

これでkernelのコンパイルとインストールは終了です。
再起動して動くか確認してみましょう。

FreeLinkのカーネルバージョンを簡単に上げよう!

※この方法はLS-GL(国外ではLSPro)にFreeLinkを導入している方が対象です。

LS-GLにFreeLink1.0rev2を導入するとKernelのバージョンが2.6.12.6で導入されます。
メーカー標準のファームでは2008年1月現在2.6.16.16が入ります。

そこでFreeLinkのKernelを2.6.16.16に上げようというのが今回の企画です。

まず最初にやったのがソースを拾ってきてコンパイルでした。
コンパイルに必用なパッケージを入れたりconfigファイルを設定したり割と面倒です。
コンパイルに要する時間も非常に長いです。

誰かビルドしている人はいないのか?と調べたところFreeLinkがあるサイトのDLディレクトリにあるではありませんか!
これを使わない手は無いです(笑)

さてこれより超簡単なKernel入れ換えに入ります。

1./bootディレクトリに移動します。
コマンド:cd /boot

2.wgetでコンパイル済みファイルをDLします。
コマンド:wget http://downloads.nas-central.org/Users/mindbender/arm9/KERNEL/2.6.16.16-arm1-mb_v1/uImage_2.6.16.16-arm1-mb_v1

3.現在のKernelファイルに_oldを付けてリネームします。
コマンド:mv uImage.buffalo uImage.buffalo_old

4.wgetしたファイルをuImage.buffaloとして動くようにシンボリックリンクを張ります。
コマンド:ln -s uImage_2.6.16.16-arm1-mb_v1 uImage.buffalo
(以前のKernelに戻すにはrm uImage.buffaloでシンボリックリンクを削除しln -s uImage.buffalo_old uImage.buffaloで以前のKernelにシンボリックリンクを張ればOKです)

Kernelの入れ換えはこれだけです!(僅か4ステップ)
※しかしここで再起動してはいけません!
新Kernelのモジュールが入っていませんので動きません。

新Kernel用のモジュールも導入します。

1.作業ディレクトリに移動します。(ここでは/tmpとしてます)
コマンド:cd /tmp

2.wgetでモジュールファイルを取得する。
コマンド:wget http://downloads.nas-central.org/Users/mindbender/arm9/KERNEL/2.6.16.16-arm1-mb_v1/modules_2.6.16.16-arm1-mb_v1.tar.gz

3.取得したファイルを解凍する。
コマンド:tar -C / -xzvf modules_2.6.16.16-arm1-mb_v1.tar.gz

4.解凍したモジュールを登録する。
コマンド:cd /lib/modules/2.6.16.16-arm1-mb_v1
コマンド:depmod -a

これでモジュールの導入も完了です!(僅か4ステップ)

さて再起動してみましょう・・・

順調に起動しているように見えたが最後の方でcat /proc/driver/kernevntが無いというエラーが連発して
TeraTermの画面を埋め尽くしていきます(^^;
このエラー表示はシリアルコンソールの画面でしか確認できません。
telnetで接続しても普通に動いているようにしか見えません。
この状態では電源ボタンを長押ししてもシャットダウンしない状態になっています。
またtopコマンドでプロセスの使用状況を見るとkernelmonというプロセスが表示されます。
シリアルコンソールで接続していない場合はこれで確認できます。

色々調べてみると今回のKernelと以前のKernelでkernevntを吐き出している場所が違うようです・・・
そこでkernelmonスクリプトの書き換えを行います。

ここからはシリアルコンソール経由からはログが流れて操作出来ない状態になっているのでtelnetで接続して作業を行います。

コマンド:vi /usr/local/sbin/kernelmon

“cat /proc/driver/kernevnt”と書いてある部分がすぐに見つかると思います。
ここを”cat /proc/buffalo/kernevnt”に書き換えて保存します。

これでエラーの対処も終わりましたのでrebootします。
再起動後にエラーが出ない状態になればファームの更新作業は無事終了です。
電源ボタンの長押しで再起動するようになっているはずです。
超簡単Kernelバージョンアップはこれにて終了です!

今後も標準ファームで新Kernelが登場したら簡単入れ換え可能であればやってみようと思います(笑)

5.インデックスページの作成と自動実行

ここまでで一応設定等は終わりですが手動でmrtgを動かすわけにも行かないので
スクリプトを作成してcronに登録します。
また、作成したページをインデックス表示してくれるHTMLも
mrtgで提供されているスクリプトを利用して作成します。

/usr/binにexec_mrtgという名前でスクリプトを作成します。
内容はこの一行だけです。
※cronに直接登録したら動かなかったのでスクリプトにしました。

env LANG=C /usr/bin/mrtg /etc/mrtg/mrtg.cfg

実行権限も適切に与えてください。
このスクリプトをcronに登録します。
crontab -e コマンドを実行して登録してください。

*/10 * * * * /usr/bin/exec-mrtg

通常は5分間隔で実行することが多いようですが
LinkStationのCPUは非力なので10分間隔で実行するようになっています。

次にインデックスページを作成します。
indexmakerというスクリプトを使うと自動で生成してくれるので非常に便利です。

/usr/bin/indexmaker /etc/rtg/mrtg.cfg > /インデックスを作成したいパス/index.html

途中にある「>」はりダイレクトというファイルに出力する記号なので
省いて実行するとエラーになり作成されませんので注意してください。

index.htmlをブラウザから開けばインデックスのページが表示されます。

※設定等はご自分の環境に合わせた設定に調整して行ってください。

MRTG INDEX サンプル画像

4.FANと温度の監視

いよいよLinkStation特有の設定であるFAN回転数と温度の監視に入ります。

まずmrtgに結果を返してあげるPerlスクリプトを作成します。

まずFANの回転数を取得するスクリプトです。
/usr/local/mrtg/binにmon_fan.plという名前で作成します。

-----------------------

#!/usr/bin/perl —

$rpm = readpipe(‘/usr/local/sbin/miconapl -a fan_get_speed’);
$rpm =~ s/#[miconapl.fan_get_speed]sfan_rpm=//;

print “$rpm” . “2640nnlocalhostn”;

-----------------------

このスクリプトは以下のような内容の結果を出力します。

実際のFANの回転数
2640
(空白行)
localhost

この結果をmrtgが受け取ることで二つのグラフのが完成します。
2640の部分は0でも構いません。
この場合はグラフを見る場合の目安線とする為にこの値にしています。

スクリプトを作成したら適切な権限を与えて
/usr/local/mrtg/bin/mon_fan.plを実行してみてください。
FANの回転数等が表示されるはずです。

次に同じように温度を出力するスクリプトを作成します。

/usr/local/mrtg/binにmon_temp.plという名前で作成します。

-----------------------

#!/usr/bin/perl —

$temp = readpipe(‘/usr/local/sbin/miconapl -a temp_get’);
$temp =~ s/#[miconapl.temp_get]stemp=//;

print “$temp” . “55nnlocalhostn”;

-----------------------

内容は基本的にFANと同じで温度に変わっただけです。

スクリプトを作成しましたのでmtrg.cfgにFAN、温度監視の設定を追加します。

-----------------------

Options[fan]: gauge,growright,nopercent,unknaszero
MaxBytes[fan]: 3700
ThreshMaxI[fan]: 3000
SetEnv[fan]: EMAIL=”メールの送信先アドレス”
URL=”http://ウェブアクセスアドレス/fan.html”
YLegend[fan]: Fan RPM
ShortLegend[fan]: rpm
LegendI[fan]:RPM
LegendO[fan]:fastline
Unscaled[fan]: ymwd

Target[fan]: `/usr/local/mrtg/bin/mon_fan.pl`
Title[fan]: Fan RPM Information
PageTop[fan]:

Fan RPM Information on localhost

System:localhost
Maintainer:Root
Ip:192.168.0.1

Options[temp]: gauge,growright,nopercent,unknaszero
MaxBytes[temp]: 75
ThreshMaxI[temp]: 50
SetEnv[temp]: EMAIL=”メールの送信先アドレス”
URL=”http://ウェブアクセスアドレス/temp.html”
YLegend[temp]: Temperature
ShortLegend[temp]: C-deg
LegendI[temp]:TEMP
LegendO[temp]:borderline
Unscaled[temp]: ymwd

Target[temp]: `/usr/local/mrtg/bin/mon_temp.pl`
Title[temp]: Temperature Information
PageTop[temp]:

Temperature Information on localhost

System:localhost
Maintainer:Root
Ip:192.168.0.1

-----------------------

またまた3回mrtgを実行すればFAN、温度監視のHTMLが作成されます。
もちろんディスク管理の時と同じで設定温度、FAN回転数が

規定値を超えれば送信先アドレスにメールが送信されます。
試しにThreshMaxI[temp]: の値を低くしてmrtgを実行してみれば
実際にメールが送られてくるか確認できます。

メールが送られてこない場合は実行ファイルの権限や
スクリプト、コンフィグファイルの内容を再確認してください。