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レーシングスーツとエアバッグについて その2

以前の記事でレーシングスーツとエアバッグについてを書きかましたが、エアバッグ事情が少し変わりつつあるので「その2」を書くことにしました。

エアバッグ Aplinestars Tech-Air 7Xについてでも記載した通り、線がないワイヤレス方式のエアバッグでもインフレーター(ボンベ)交換が自分でできるようになってきています。
日本でメジャーなダイネーゼ、HYODのエアバッグもインフレーター(ボンベ)を自分自身で交換可能となっています。

少し前までの「展開したらメンテナンスに出す」から「展開したら自分自身で交換」へと流れが完全に変わってきました。

AlpinestarsのTech-Air 7Xもそのうちの1つですが、Tech-Air 7Xはレーシングスーツに組み込むことができ、以前からあるエアバッグTech-Air Raceと組み込み規格に互換があります。

私はTech-Air Raceが組み込めるレーシングスーツを所持していないので、今回新たにTech-Air 7X組み込み対応のレーシングスーツを購入しました。
※Tech-Air Raceが組み込めるレーシングスーツを所持している方はTech-Air 7Xを組み込むことが可能です。

Alpinestars GP Plus V4 Sprint

日本国内では未発売なので海外からの輸入となります。
輸入品なのでMFJのタグはなく、国内のMFJ主催レースには出場できません。

日本国内の正規代理店である岡田商事がTech-Air 7X対応のGP-R7 LEATHER SUITの取り扱いを開始したので、MFJ公認が必要な場合はGP-R7を購入するといいかと思います。
※但し現時点では岡田商事がTech-Air 7Xを取り扱っていないので、Tech-Air 10を使用することになります。Tech-Air 7XはTech-Air Raceに取って代わると思われるので、近いうちに岡田商事でも取り扱いが始まるのではないかと思っています。

今回Tech-Air 7X対応として発売されたGP-R7やGP Plus V4 Sprintは、Tech-Air 7Xをレーシングスーツ内に完全に組み込むことが可能です。
エアバッグ本体をメッシュインナーと革の間に組み込むこで今まで以上に快適にエアバッグ+レーシングスーツを使用することが可能となりました。

Absolute V2とTech-Air 10も同じようにインナーと革の間に組み込むことが可能ですが、組み込む手間は明らかにTech-Air 7Xの方が楽になっています。
レーシングスーツに組み込み後の充電も前からタイプCを挿して充電できるTech-Air 7Xの方が圧倒的に使いやすいです。

海外の動画ですが、Tech-Air 7Xの組み込みが分かりやすく解説されているのでYouTubeのリンクを貼っておきます。

エアバッグ Aplinestars Tech-Air 7Xについて

エアバッグについては過去にも記事を書いてきましたが、今回はTech-Air 7Xを購入したので紹介します。

そもそもワイヤレス方式のエアバッグであるAplinestarsのTech-Air 5とTech-Air 10を所持しているのに追加でTech-Air 7Xを購入した理由から書きます。

ワイヤレス方式のエアバッグは最初にTech-Air 5を購入しましたが、レーシングスーツの下に着るのには色々と駄目な部分も多く、レーシングスーツに組み込んで一体型になるTech-Air 10を追加で購入しました。
その際にTech-Air 10を組み込み可能なAbsolute V2というレーシングスーツも購入しました。
Tech-Air 10はエアバッグがカバーする範囲もTech-Airシリーズの中では一番広く問題なく使用していました。

そんな中、CBR250RRでのSPA直入走行中に転倒しエアバッグが展開しました。
外に着る国内メーカー製のhit-airと違い自身でボンベ交換ができないため、ボンベ交換のためにTech-Air 10をメンテナンスに出すことになりました。
当然ながらメンテナンス中は使えませんしボンベ交換の金額も31,000円掛かります。
※Tech-Air 10はエアバッグの守備範囲が広いのもあり、実は1回の展開で2つのボンベを使用するそうなので、ボンベ1本あたりで考えると31,000円はそこまで高くないのかもしれません。

ボンベ交換のメンテから帰ってくるのを待ってる間もサーキットには行くので、予備のエアバッグが必要になりました。
hit-airやTech-Air 5も所持しているので予備がないわけではありませんが、できれば一体型を使いたい。
また、レーシングスーツも傷と破れが発生したため、お世話になっているレーシングショップのRSGさんへ補修に出すことにしました。
エアバッグだけでなくレーシングスーツも予備があったらいいなと思いネットで色々と見てると、前から気になっていたTech-Air 7Xが海外のサイトで売ってるのを発見しました!
国内では未発売、海外でも品薄・売り切れで今まで購入できなかったのですが、購入できると分かった時点で買わない選択肢はありませんでした(笑)

ナンバリングの通りTech-Air 7XはTech-Air 10よりも価格が安く、エアバッグで守られる範囲も少ない製品です。
しかし、守備範囲が狭いというデメリットを補って余りある魅力がTech-Air 7Xにはあります。

1つ目はTech-Air Raceと同じ2回までのエアバッグ展開が可能なこと。
2つ目は自分自身でボンベの交換ができること。
またTech-Air Race、Tech-Air 7X対応のレーシングスーツであれば接続して一体型にすることができます。
(Tech-Air Race用のLEDディスプレイに有線接続することもできます)

交換用インフレーター(ボンベ)はhit-airのように安くはありませんが、現在の価格で1本あたり13,000円ほどです。
最大4回展開させるとメーカーメンテナンスを推奨ということみたいですが、4回展開させたからといってロックが掛かったりすることはないそうです。
また展開してボンベ交換する際に自分自身でエアバッグに漏れがないかチェックするためのツールも付属します。

注文してから3日で海外から届きました。
早速開封します。

今までのTech-Airシリーズとは違ってリサイクル箱みたいな箱に入ってました。
エコとかもここまで来ると正直げんなりします…

レーシングスーツと接続しない場合は、ベストタイプ同様にスタンドアローンで使用可能です。

背面のカバーを開くとボンベやバッテリーが見えます。

ボンベの交換方法もマニュアルに載っているので初めてでも問題なく交換可能です。
(マニュアルには日本語での記載もあり)

Tech-Air 7Xは国内ではまだ未発売のため、当然ながら専用ボンベも国内では手に入りません。
なのでエアバッグと一緒に専用ボンベも2本注文しました。
予備のボンベを使わないに越したことはないですが…

Tech-Air 7X対応のレーシングスーツも一緒に購入したので、そちらについてはまた後日。

レーシングスーツとエアバッグについて

以前書いた記事バイク用エアバッグについてでエアバッグについて触れましたが、内蔵式のエアバッグを装着する場合には、レーシングスーツ側もエアバッグに対応している必要があります。

私が現在使用しているalpinestarsのtech-air 10というエアバッグは、alpinestarsのtech-air readyの製品はもちろん、RSタイチやクシタニも自社のスーツに対応するサービスを開始しています。

私が使っているalpinestarsのレーシングスーツも当然ながらtech-air 10に対応している製品ですが、tech-air raceのようにレーシングスーツ自体に組み込む方式ではありません。
他社製品同様にtech-air 10をインナーとして着た上で、レーシングスーツを着用することになります。

一方でtech-air raceはレーシングスーツ自体にジッパーで接続するため、一般的なインナーを着た状態でレーシングスーツを着用します。

実はtech-air 10でもtech-air race同様にレーシングスーツ自体にジッパーで接続できる対応レーシングスーツが存在します。

それがalpinestarsのAbsolute V2というフラッグシップモデルです。
フラッグシップモデルなので当然ながらお値段もフラッグシップで、現時点で海外から購入すると関税含めて約3,000ドルほどのお値段となります。

ちなみにV2になる前のAbsoluteはtech-air race用のモデルで、今回V2になったことでtech-air 10用の製品となりました。

価格が価格なので購入するかどうか非常に迷いましたが、やはりtech-air 10をレーシングスーツに組み込めるのは魅力的なので注文してみました。

日本の輸入代理店である岡田商事では現時点で取り扱いがないため、ドイツのFC-MOTOから個人輸入で購入しました。
届くまで関税がいくら掛かるのか分からないためドキドキしながら受け取りましたが、関税と消費税で合計48,000円ほど支払いました。

段ボールの中身はインボイスと上の写真のビニール袋に入ったレーシングスーツのみでした。
早速開封してみました。

フラッグシップモデルだけあって使われている革はカンガルーレザー100%です。
革以外の部分は、MOTO GPで培われた技術や新素材がふんだんに使用されており、通常の牛革や水牛革製品と比べて軽くて丈夫になっています。

レーシングスーツのチャックを開けてみると、中から箱が出てきました。
今までalpinestarsのレーシングスーツを4着購入しましたが、レーシングスーツの中から箱が出てきたのは初めてでした。

中に何が入っているのか箱を開けてみました。

箱の中にはメンテナンスキットとスーツ収納カバーが入ってました。
フラッグシップモデルを買うとこんな特典が付いてくるんですね。

あまり長持ちしそうな収納カバーではありませんが、alpinestarsのロゴがでかでかと書かれていて、なんとなくカッコいい感じです(笑)

ちなみにtech-air 10をAbsolute V2に組み込む方法はどこにも書かれていなかったので、海外ショップのYouTubeチャンネルを参考に組み込みました。

まずはtech-air 10の本体をベースレイヤーから取り外す必要がありますので、岡田商事のYoutTubeチャンネルを参考にエアバッグシステム本体をベースレイヤーから取り外しました。

tech-air 10の本体をベースレイヤーから取り外したらAbsolute V2に組み込んで行くことになりますが、何の知識もなしで組み込むのは色々と難しいので、海外ショップのSTG(Sportbike Track Gear)のYouTube動画を参考にして取り付けて行きました。

tech-air raceと違ってチャックで接合して装着完了とはいかず、エアバッグの各部分やセンサーを指定の場所に1つ1つ設置していかなければならないので、はっきり言って作業としてはかなり面倒です。

最後に1点注意事項を。
記事を書いている今現在、岡田商事はAbsolute V2を輸入・販売していないため、海外から個人輸入することになりますが、海外で売られているレーシングスーツには一般的にMFJ認証のタグが付いていません。
日本国内でレースをする場合、MFJ認証のタグがないとレースに出場することができませんので、国内レースで使用しようと思ってる方は購入を避けた方がいいかもしれません。

レーシンググローブ(バイク用) その2

以前の記事 レーシンググローブ(バイク用) でFiveのグローブを絶賛し、Alpinestarsのグローブ GP Plus R V2を固い・指先の感覚が鈍いと低めの評価としました。
しかしAlpinestarsにはもっと上の最上位グレードのグローブが存在します。

SUPERTECHやGP TECH v2がAplinestarsの最高峰です。
SUPERTECHは発売が2016年とちょっと古く、一応販売はされているようですが主流は2021年発売のGP TECH v2となっているようです。

ということでGP TECH v2がどんなものなのか?FIVEのグローブを超えることができるのか?を試すために購入してみました。
(レーシングスーツ、エアバッグ、ブーツと全てAlpinestarsなのでグローブまで揃えてみようという浅い考えもあります)

Alpinestars GP TECH v2 GLOVE

流石にFIVEの最高峰RFX1の1.5倍くらいのお値段だけあって、グローブなのにしっかりした箱に入っています!

カンガルー皮やアラミド繊維も使用されていて最高峰!という感じです。
ただ手の甲部分にはポリエステルが使用されていて革ではありません。

表面に取り付けられたプロテクターが守ってくれるから柔軟性を重視したということでしょうか。

地面と接する可能性が高い部分には、プラのプロテクターやアラミド繊維がしっかり使用されています。

GP TECH v2を実際に手に装着してみると、GP Plus R V2とは明らかに違うのが一瞬で分かります。
装着感はFIVEのRFX1と同じような感触です。

革が若干薄めで着けてる感が一番少ないFIVEのRFX3には流石にかないませんが、プロテクト性能を考慮すればやはり最高峰と呼ぶにふさわしい装着感だと思います。
SUPERTECHも手にはめてみたことがあるのですが、RFX1やGP TECH v2より若干固い感じでした。

左からFIVEのRFX3、RFX1、AplinestarsのGP TECH v2、GP Plus R V2です。

RFX3は装着感が一番優れていますが、プロテクト性能を考えると速度低めの公道向きでしょうか。
RFX1は装着感もいい上に価格も3万円を切ってますので、やはり一番お勧めになります。
GP TECH v2は装着感はいいのですが結構お高いので、全身Alpinestarsで揃えたい方やお金のことはあまり気にしない人向けでしょうか(笑)
GP Plus R V2は固いし安くもないしで正直お勧めしません。

ダイネーゼやクシタニのグローブにも評判がいいものがあるので、その内機会があれば試してみたいとは思っています。
結構お高いのでそう簡単には試せませんが。

レーシングブーツ(バイク用) その2

レーシングブーツ(バイク用)の続きです。
実際にSUPERTECH-Rを履いてCBR600RRに乗ってみました。

そもそもブーツを履く時点でペダルの高さ調整を行わないと、シフトチェンジが非常にやりにくいのでブーツを変えたらシフトペダルの位置調整を行っています。
ブーツに合わせてペダルの位置調整を行うと、普通の靴では逆に位置が微妙になりますが、シフトペダルが当たる部分に補強がしてあるような割と高さがあるライディングシューズなどを履くことで、この問題はある程度はクリアできます。

今回は同じAlpinestarsのSMX PLUS v2からSUPERTECH-Rの変更なので、特に調整はしなくてもいいかと思っていたのですが、実際にバイクに乗ってみるとシフトミスの連発でした。
1時間で10回くらいシフトミスしました…

私のCBR600RRにはBabyFaceのレーシング用ではない一般向けの「パフォーマンスステップキット」というバックステップが付いていて、高さは一番上、後ろは2番目にセットしています。
この状態でSUPERTECH-Rを履いて乗ってみると、ペダルの隙間にブーツがなかなか入りません。
SUPERTECH-Rはインナーブーツと二重構造になっているからなのか、ペダルの位置のブーツの厚みが結構あるようで、それが原因で上手く足が入りません。

なので、バクステップ側のペダルの位置を一番遠くにして隙間を広げました。

真ん中の穴から一番外の穴に変えることで、隙間が広がったのはたったの1cmくらいです。
この少しの差でシフトのやり易さが大幅に変わりました。

ペダルの位置を上げるという方法もありますが、上げ過ぎると今度はシフトペダルを踏む時にやりにくくなります。

個人の体格や足の大きさ、バックステップの位置(ノーマルステップでも同じ)などで、人それぞれ使いやすい位置は違うため、自分に合ったペダルの位置を探してみてください。

バイクを買ったままペダルの位置調整なんてしていないという方は、ぜひ一度シフトペダルの位置調整をやってみてください。
もしかしたらすごく乗りやすくなるかもしれません。

レーシングブーツ(バイク用)

来シーズンのサーキット走行に向けてレーシングブーツを買い替えました。
皆さん価格以外は口を揃えて良いと言うalpinestarsのSUPERTECH-R V2です。

良いという話を聞いてもなかなか購入に踏み切れない価格です。

SUPERTECH-Rはインナーブーツが取り出せるブーツです。
外側の革は凄く柔らかく、内側のインナーブーツはケガに繋がる横方向の動きを制限します。
前後(縦)には割と動くので、最近のまるでスキーブーツのようなレーシングブーツとは違い、しなやかです。

MotoGPをはじめとするトップライダーも使用しているレーシングブーツで、価格は高いですがそれ相応の価値はあると思います。

今シーズンまで使用していたブーツは同じalpinestarsのSMX PLUS v2というモデルです。

このブーツも決して安くはありませんが、SUPERTECH-Rと比べると倍近い価格差があります。
当然ながら性能もフラッグシップモデルのSUPERTECH-Rとは結構違います。

ブーツを変えてもタイムが上がるわけではないと思いますが、早くも来シーズンが待ち遠しいという気持ちにさせてくれるレーシングブーツです。

レーシングブーツ(バイク用) その2へ続く。