「HP Spectre 13」カテゴリーアーカイブ

Anker PowerPort Atom PD1

最近のノートPCは充電ポートがType-CのPD(PowerDelibary)規格のものがかなり増えてきました。
私が使っていた先代のAsus Transbook3に始まり、現在使っているHP Spectre13もそうです。
異色の小型PCであるGPD PocketですらType-Cでの充電です。
iPhone8からはiPhone側のコネクターこそLightningですが、しっかりPD規格の充電に対応しています。

PDは充電も早いですし、色んな機種で使いまわせるので便利ではあるのですが、出力が大きいために充電アダプターが大きくなるのが難点でした。

そこで小さくするためにシリコン半導体ではなくGaN(窒化ガリウム)を使用した充電アダプターが出てきました。
最初に凄いなと思ったのはInnergie PowerGear 60CFINsix Dartでした。
iPhoneに付属する小さな充電アダプターの2倍くらいの大きさで60Wや65Wの充電ができるのです。
しかし、前者は日本では発売されておらず、後者はType-Cのケーブルのものが一向に出ません。
価格もどちらも1万円前後するのもなかなか購入に踏み切れない1つの要因だと思います。

そんな中、RavPowerからはRP-PC104が、AnkerからはPowerPort Atom PD1が発売されました。

RavPower RP-PC104は45Wで約7,000円、Anker PowerPort Atom PD1は30Wで約3,500円です。
自宅にはHP純正の60Wの充電器が2個、サードパーティー製の60W充電器が2個転がっています。
今回は出力ではなく極力小さいものを試してみようと思いAnker PowerPort Atom PD1を購入しました。
前から購入しようとは思っていましたが、品切れが続いていたため購入できず、今回やっと購入することができました。

Anker PowerPort Atom PD1

第一印象はとにかく小さいです。
ただコンセントのプラグ部分が折りたためないのが実に惜しいです。
あと少しだけ大きくなってもいいので、折りたためた方が使わない時の大きさは小さくなるはずです。

HP純正の60Wアダプターとの比較です。
縦横比で約4分の1というところでしょうか。
厚みはHPのものよりも若干厚く1.3倍くらいあります。
手に持った重さは全然違います。

Anker PowerPort Atom PD1にはType-Cケーブルは付属しないので別途用意する必要があります。

PowerPort Atom PD1はケーブルが一緒になっていないので、アダプターとケーブルをそれぞれ持ち運ぶ必要があります。
持ち運ぶ場合は充電器の大きさも重要ですが、意外に邪魔で面倒なのがケーブル類です。
今後はケーブルも小型で持ち運びしやすいものが出てくれないかと思っています。
(出力が高くて細くできないのは理解できますが、そこは技術革新でなんとかして欲しいところ)
せめて巻き取れるレベルの太さまで細くできれば、小型の巻き取り式のものが出てくるでしょう。

ちなみにHP Spectre13に使用してみたところ、起動して使っている状態でも問題なく充電できました。
機種によっては、30Wでは起動時に充電できないものもあるようなので、ご使用の機種が30Wでの充電に対応しているかを確認してから購入してください。

Spectre13+Razer Core XでeGPUのベンチマークを取ってみた(その3)

Spectre13+Razer Core XでeGPUのベンチマークを取ってみた(その2)からの続きです。

通常の構成はSpectre13とRazer Core Xの接続をThunderbolt 20Gb/sへと速度を落とし、Razer Core Xに積んだグラフィックボードとモニターをDisplayPortで接続しています。
ノートとeGPUの接続帯域が半分になるので、ベンチマークの結果が結構下がるのではないかと予想しました。

尚、ここから先は時間の都合上、MSI GTX-1070 GamingX 8GでFF14のベンチマークのみ計測しました。

MSI GTX-1070 GamingX 8G

全く同じどころか誤差程度ですがスコアが上がりました…
Thunderboltのパッシブケーブルで40Gb/sの通信速度を実現できるのは、規格上ではケーブルの長さが50cmまでとなっており、使用できるThunderboltケーブルが凄く短いのが欠点です。
(ノートPCとeGPUケースをすぐ近くに置かないと届かない距離です)
ベンチマークのスコアから見るにThunderboltのケーブルは40Gb/sに拘らなくてもいいのかもしれません。
規格上パッシブモードで2mまで許されている20Gb/sを使うと、eGPUケースを離れた場所に置けるため取り回しが凄く楽になります。
Thunderboltについては、以下のサイトが分かりやすく説明しています。
完全解説!『USB Type-C』と『Thunderbolt 3』の違いとは?

次はSpectre13とRazer Core Xの接続をThunderbolt 20Gb/sに落とした状態で、モニター自身もSpectre13を利用します。

MSI GTX-1070 GamingX 8G

9%ほどスコアが落ちましたが、これならなんとか実用範囲ではないでしょうか。
その2で行った「Thunderbolt 40Gb/s接続でSpectre13自身のモニタ利用」のスコア(11076)との差は誤差程度なので、何回か測れば40Gb/sと20Gb/sで同じ結果になるのかもしれません。

最後となりますが、私自身も出来るかどうか分からなかった接続方法を試してみました。
Spectre13とRazer Core XをThunderboltで接続しeGPUの力を借りつつ、グラフィックボード接続のモニターやpectre13自身のモニターは使用せず、Spectre13にThunderboltで接続したモバイルモニターでベンチマークを実行できるのか?
文章だけでは分かり辛いので構成図を見てください。

Spectre13を間に挟んでeGPUと外部モニターが接続されるイメージです。
こういう接続例がないかネットを探してみましたが、なかなか見つけることができなかったので試してみました。
※RTXシリーズに搭載されたType-Cの出力端子を使えば、DisplayPortなどと同じように普通に外部モニタに表示できるのは自身の環境で確認済みでした

DisplayPortを利用した通常の接続よりも5%程度スコアが低下しましたが、何の問題もなくしっかりと表示されました。
こんな接続でも外部GPUと外部モニターが繋がるとはThunderboltの規格って凄いです。

eGPUを考えている方に何かの参考になれば幸いです。

Spectre13+Razer Core XでeGPUのベンチマークを取ってみた(その2)

Spectre13+Razer Core XでeGPUのベンチマークを取ってみた(その1)の続きです。

まずは前回でも一部載せた通常の接続のFF14ベンチマークにF15のベンチマークを追加したものから。

構成は下の図の通りでSpectre13とRazer Core XをThunderbolt 40Gb/sで接続し、Razer Core Xに積んだグラフィックボードとモニターをDisplayPortで接続しています。

Palit GTX-1060

MSI GTX-1070 GamingX 8G

GIGABYTE RTX-2070 WINDFORCE 8G

FF14ならGTX-1060でも十分実用的ですが、FF15になるとGTX-1070でも少しきつくなってきます。
実際に画面を見てるとカクつく場面も多数ありました。
RTX 2070でも稀にカクつく時があったので、完全にヌルヌル動かすにはRTX 2080RTX 2080tiが必要なのかもしれません。

次は外部モニタを使わずSpectre13とRazer Core XをThunderbolt 40Gb/sで接続し、外部モニタではなくSpectre13自身のモニターを利用します。

映像の通信もThunderboltのAlternative Modeを通して行われます。
同じ1本の通信ケーブルに対して通信量が増えるので、ベンチマークのスコアの低下が予想されます。
時間の都合上、MSI GTX-1070 GamingX 8Gでのみ計測しました。

MSI GTX-1070 GamingX 8G

通常の接続に比べて5%~7%程度の低下となっています。
これくらいであれば十分実用範囲かと思います。

長くなってきたのでSpectre13+Razer Core XでeGPUのベンチマークを取ってみた(その3)に続きます。

2018/12/10 追記
RTX 2070のFullHDでのスコアがあまりにも悪かったので、4K(3840×2160)でのベンチマークを取ってみました。

4Kだと他の2070と同じくらいのスコアがでました。
FullHDでスコアが伸びないのはCPUが足を引っ張っているのでしょうか…

2018/12/11 追記
デスクトップでのFF15ベンチマークのFullHDのスコアがあまりにも低いので、ドライバの再インストールと、FF15ベンチマークのアンインストール&再インストールを行いました。
FF15ベンチマークを再インストールする際に元々SSHD(最近あまり聞きませんがHDDにキャッシュ用のSSDをプラスしたもの)のDドライブから、SSDのCドライブ変えてインストールしてみました。
どちらが効いたのか分かりませんが、デスクトップで普通のRTX 2070くらいのスコアが出るようになりました。

2018/12/12 追記
デスクトップでクロックアップして計測してみました。
CORE+150、MEM+100での計測

CORE+250、MEM+150でも計測してみましたが、グラフィックボードの温度が上昇するとGPU Boostで上がっていたクロックが自動的に下げられます。
RTXではGPU Boost4.0となっており、GTXのGPU Boost3.0よりもその制御が上手くできていて、制御の仕組みも公開されているようです。
そしてGPU Boostの一部のパラメーターはユーザーがツールを利用して変更も可能となったようです。
詳しくは以下のサイトをご覧ください。
レイトレ&AI対応の新世代GPUは「世界最速」以上の価値を提供できるか
今回はその辺は一切変更していないためクロックダウンされてしまったのか、スコアは全く上がりませんでした。

最後にDLSSをONにしてその他の項目は最高品質で計測してみました。
(DLSSは4Kでしかテストできないため、4K解像度でテストしています)

確かに若干スコアは上がりましたが、前評判ほどではない気がします。

Spectre13+Razer Core XでeGPUのベンチマークを取ってみた(その1)

色んな接続方法を試したので3回に分けて投稿します。
eGPUを考えている人の何かの参考になれば幸いです。

eGPUベンチマークの記事3回の中で登場する機器は以下となります。
デスクトップ(Core i7 4790K、メモリ16GB)
Spectre13(Core i7 8550U、メモリ16GBのノートPC)
Razer Core X(eGPUケース)
モニター(144HZ駆動のFullHDゲーミングモニター)
MB16AC(Thunderbolt接続のみのモバイルモニター)
※その1ではMB16ACは使用していません。細かいスペックは省略します。計測は全てFullHDでの計測になります。

今回のベンチマークで使用したWindows10のバージョンは1803でしたが、Spectre13の自動ドライバアップデートではThunderbolt3のドライバが1803用に更新されないようで、Thunderbolt経由で機器が認識されず動きませんでした。
HPのWebサイトからThunderbolt3の1803用ドライバをダウンロードしてインストールすることで無事に機器が認識されました。

まずはデスクトップとの比較です。
CPUの性能が違うので単純比較はできませんが、ある程度参考になるのではないかと思います。

Spectre13とRazer Core Xの接続はRazer Core X付属のThunderbolt3の50cmケーブルです。
Razer Core Xと外部モニターとの接続はDisplayPortでの接続です。

Palit GTX-1060での比較
デスクトップ

ノートeGPU

約81%の性能

MSI GTX-1070 GamingX 8Gでの比較
デスクトップ

ノートeGPU

約76%の性能

GIGABYTE RTX-2070 WINDFORCE 8Gでの比較
デスクトップ

ノートeGPU

約77%の性能

2割前後の性能ダウンとなりました。
eGPUで使用する場合はGPUのグレードが1グレードダウンする程度の数値と思っていいかと思います。

ちなみにeGPUを使用せずCore i7 8550U内蔵GPUのUHD 620で計測した場合は悲惨な数値でした。

これでゲームをするのは無理です。

Spectre13+Razer Core XでeGPUのベンチマークを取ってみた(その2)に続く

ASUS ZenScreen MB16AC

私のPC環境は会社でも自宅でもマルチモニター環境です。
理由は単純、作業効率が上がるからです。

ノートPC用にもGeChic モバイルモニタ On-Lap 1101Pというモバイルモニターを持ってました。
「11インチと小さく持ち運びがしやすそう」というのが理由で購入しましたが、実際にノートPCと一緒に持ち歩くことは殆どありませんでした。
モバイルなので小さければいいと思ってましたが、11インチでフルHDは流石に小さくて字が読めない!
結果拡大して使うと見える範囲は狭くなるわけです。

あと、HDMIと電源の2本のケーブルを接続しなければならないのも微妙に面倒でした。
ちなみにノートPCをHP Spectre 13に買い替えたことにより、HDMI出力すら変換しないと繋ぐことができなくなりました。

ということでOn-Lap 1101Pを売り払いASUS ZenScreen MB16ACに買い換えました。

ASUS ZenScreen MB16AC
ASUS ZenScreen MB16AC

液晶のサイズが15.6インチになりかなり大きくなりましたが、ベゼルが狭いので思ってたよりは大きくなかったです。
(それでも小さいとは思えませんが…)

最大の特徴はUSB-TypeCのケーブル1本でPCとの接続が完了するところです。
映像出力も電源もこれ1本でOKです。

下の画面は標準設定で画面を表示してます。
Spectre13と結構色味が違います。
ASUS ZenScreen MB16AC

下の写真はシーンモードで画面を表示してます。
写真で見ると上の写真とあまり違いないように見えますが、実際に見るとSpectre13の色味にかなり近付きました。

ASUS ZenScreen MB16AC

電球色のライトの下だからかと思い、LEDライトの下でも写真を撮ってみましたが、はやり写真だと違いが分かりませんね…

ASUS ZenScreen MB16AC

Spectre13が13.3インチなので横に並べるとMB16ACの方が少し大きいです。
本当は同じサイズだともっと使いやすいのかもしれませんが、しっかりしたメーカーでTypeC接続で13インチのものがないので、今のところはI-O DATAのLCD-MF161XPか、MB16ACになるのではないかと思います。
(LCD-MF161XPはHDMIの端子も搭載してますが、ベゼルが広めなので画面サイズが同じでも全体は少し大きです)

ASUS ZenScreen MB16AC

ASUS DisplayWidgetというユーティリティを入れると、下の写真のように縦置きにするだけで自動的に表示も縦表示に変わります。
(細かい設定もモニターのボタンでやるよりユーティリティを介して行った方が断然楽です)

ASUS ZenScreen MB16AC

これなら持ち出す機会も増えそうです。
買い換えて正解でした。

HP Spectre 13の充電について

ノートPCをTransBook 3からHP Spectre 13に買い替えたわけですが、充電器が結構大きい…
そこでTransBook 3の時に使ってた充電器とモバイルバッテリーが使えるかどうか検証しました。
どちらもUSB-TypeC PDを採用しており規格的には問題ないはずですが、PDは規約違反の製品が多く、それが相性という形で表れてちゃんと動かないことがあります。

検証方法は以前記事にしたASUS TransBook 3 T303UAの充電についてと同じくPlugable USB-C 電圧・電流チェッカーを使いました。

検証したのはマイクロソリューションUSB-C USB PD:Power Delivery Specification Portable Power Supply 60WRAVPower USB-C 26800mAh モバイルバッテリー PD対応の2つです。
マイクロソリューションの方は個人的にはいい製品だと思いますが、今は既に販売をやめたようです…

計測中の写真は撮り忘れたのでありませんが、結果だけを書きますと両方とも正常に充電することができました。
RAVPowerのモバイルバッテリーはPCを起動状態でも充電OKでした。
なお、マイクロソリューションのアダプターはしっかり60Wで充電できました。

ちなみに最近のHPのノートPCでは、純正以外のアダプターを使用すると「製品に付属のHP製電源アダプターを使用することをおすすめします。」と警告メッセージが出ます。
充電しようとすると毎回でます。
非常にうざいので何か方法がないか調べたらHPのコミュニティにありました。
USB-C Charging for HP Spectre x360 – 15-ch004na
(rename “C:\Program Files (x86)\HP\HP System Event\USBCMSG.exe” to “C:\Program Files (x86)\HP\HP System Event\USBCMSG_bak.exe”)と書いてあります。

C:\Program Files (x86)\HP\HP System Event\USBCMSG.exe

このプログラムがメッセージを出しているようで、ファイル名をUSBCMSG_bak.exeにリネームすればいいそうです。
(USBCMSG_bak.exeでなくても変わればファイル名はなんでもいいです)

実際にリネームして試したところ、メッセージも表示されなくなり快適に充電ができてます。