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バイク用エアバッグについて

二輪のサーキット走行において一般的になりつつあるエアバッグですが、大きく分けて二種類あります。
ワイヤーでバイクと繋がっているタイプとワイヤーで繋がっていないワイヤレスタイプです。

私が最初に購入したのはワイヤータイプのものです。
(今でもスペアとして所持しています)
公道ではなくサーキットを意識したhit-airのRS-1というモデルになります。

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hit-airの利点は大きく3つ。
・ワイヤレス型に比べて圧倒的に価格が安いこと

・エアバッグを作動させてしまっても自分でボンベ交換ができること
しかもボンベの価格は2,000円ちょっとで大きく破損しない限りは再使用までの費用がかなり安いです。

・レーシングスーツを選ばない
レーシングスーツの上から着るので基本的にどんなレーシングスーツでも使用可能です。

デメリットはワイヤーで繋がってるので接続したり外したりする面倒くささと、レーシングスーツの上から着るので見た目の問題です。
RS-1はベストの後ろからワイヤーが出ているので、走行中にワイヤーが気になって鬱陶しいということは全くありません。
あとはワイヤーが抜けないとエアバッグが開かないので、状況によってはワイヤレスよりも不利な状況はあるかもしれませんが、そういうレアケースにはあまり遭遇しないのではないかと思います。

hit-airのRS-1に特に不満があったというわけではありませんが、新しいものを試したくなるのが人の性。
ということで次にワイヤレスタイプのエアバッグを購入してみました。
Alpinestarsのtech-air 5というモデルです。

ワイヤレスタイプの一番のメリットはワイヤーがないことです。
エアバッグに搭載された加速度センサーの値を演算してライダーがどのような状況にあるのかを判断します。
ワイヤーが抜けなくても状況を判断してエアバッグが開くので状況によってはワイヤータイプよりもエアバッグが早く開くと思われます。
但し誤認することもないわけではなく、エアバッグが開かなくていい場面で開いたり、逆に開かなければならない状況で開かないということもあるようです。
(その確率がどれくらいなのかは分かりません)

またレーシングスーツの中に着るのでレーシングスーツのデザインを損ないません。
折角気に入ったデザインのレーシングスーツを購入しても上半身が殆ど見えないと悲しいものです。

ワイヤータイプにはデメリットも結構あります。
・エアバッグ本体の価格が高い
ワイヤレスタイプの中では安い部類のtech-air 5でも10万円します。
tech-air RACEだと20万円します…

・エアバッグを作動させてしまった場合のコストも高い
転倒してエアバッグを作動させてしまうと自分でボンベの交換ができないため、点検とボンベ交換のためにメーカーに出さなくてはなりません。
もちろんメーカーに出している間は使用できませんしボンベ交換代も2万円を超えるので高額です。

・使用できるレーシングスーツが限られる
レーシングスーツの中でエアバッグが開くため、レーシングスーツにエアバッグが開くための余裕が必要です。
tech-air readyとうたっているtech-air対応のシャーリングを施したレーシングスーツか、エアバッグ用に余白を予め取ったレーシングスーツが必要です。
人によってはレーシングスーツ自体を買い替えることになります。
(私もレーシングスーツをtech-air readyのものへ買い換えました)

・tech-air 5を着た状態でレーシングスーツを着るのが困難。
tech-air 5に標準で搭載されている脊椎パッドの上部がレーシングスーツに引っ掛かってレーシングスーツの襟部分が上がらないため、一人でレーシングスーツを着るのが非常に困難です。
誰かに後ろから引っ張り上げてもらえれば難なく着れますが、一人で着ようと思うとレーシングスーツ自体に動きを制限されて手が上部や後ろに回らないため、エアバッグに引っ掛かったレーシングスーツの襟部分を引っ張り上げることができません。
なので、私の場合はレーシングスーツに最初からエアバッグをはめ込んだ状態で手を通して着ています。
これは結構面倒で一時使うのをやめようかと思ったくらいです。

・外に着るタイプより暑い
レーシングスーツの中に着るタイプは外に着るタイプより暑いです。
真夏の炎天下では結構地獄です。

・通販などで買えない
hit-airのRS-1みたいに通販で買うことができません。
海外のサイトで購入して個人輸入すると国内正規代理店である岡田商事のサポート受けることができないので、エアバッグが開いてもボンベの交換ができませんし故障しても修理ができません。

ワイヤレスタイプのデメリットを見るとワイヤータイプでいいのでは?と思われる方も多いかと思います。
実際にその通りで、見た目に拘らなければワイヤータイプで問題ないと思いますし、初めてエアバッグを購入される方にはワイヤータイプをお勧めします。

ワイヤレスタイプのデメリットを沢山書いてワイヤータイプを勧めておきながら、私自身は今回ワイヤレスタイプのエアバッグを追加購入しました…
新しい物好きの私としては、メリット・デメリットでは計れない最先端という名の魅力には勝てませんでした。

追加購入したのはAlpinestarsのtech-air 10というモデルです。
そのナンバリングの通りtech-air 5の上位版の位置づけです。

今までAlpinestarsのエアバッグでサーキット使用できる製品はtech-air 5とtech-air RACEの二種類しかありませんでした。
tech-air RACEはtech-air RACE専用のレーシングスーツが必要ですが、レース用に作られたエアバッグのため、1回転倒してもそのまま走ることができます。
トータル2回の転倒までエアバッグの作動が可能な作りとなっている製品です。

そのtech-air 5とtech-air RACEの中間的な位置づけの製品がtech-air 10で、海外からはかなり遅れたものの、日本でも取り扱いが開始されました。
価格はtech-air 5とtech-air RACEの中間で、機能としてはエアバッグが体を守るサポート範囲がtech-air RACEより広く、エアバッグの作動は1回までとなっています。
レーシングスーツはtech-air RACEのように専用品である必要はなく、tech-air readyか、もしくはエアバッグ分の余裕があれば使用可能です。

ワイヤータイプやtech-air 5からtech-air 10へと乗り換えを考えている方もいるかもしれませんが、このtech-air 10を購入可能な店舗は凄く限られています。
岡田商事が日本国内の取り扱いを開始した今現在でも、取り扱っている用品店は日本全国で見ても数店舗しかありません。

RSタイチとクシタニが2023年12月に自社レーシングスーツへのtech-air 10のサポートを開始しましたが、サイトを見ても自社のレーシングスーツへの対応の記事しか発見できませんでした。
そこで2023年12月にダメもとでクシタニに電話し、tech-air 10だけを購入することができないか問い合わせしたところ、保証内容に若干の制限はあるものの、全国のクシタニPROショップでtech-air 10単体を購入できるとの回答を頂きました。
もちろんエアバッグが作動した際のボンベ交換を含むサポートもクシタニPROショップ経由で受け付けてもらえるということでした。
(通常のクシタニ取扱店ではなくクシタニPROショップのみの取り扱いとなります)

ということで2024年1月の初売りの時にクシタニPROショップでtech-air 10の予約を入れました。
発表後早めの予約でしたが、全国規模では既に結構予約が入っているのと、日本仕様への変更が手間取っているとのことで、納品までに多少時間が掛かるかもしれないと言われてました。
その予約分が2024年4月中旬にやっと入荷してきたので受け取ってきました。

インナースーツと一体型となったエアバッグです。
岡田商事のYouTube動画にも上がっていますが、エアバッグのパーツを取り外してインナーだけ洗濯することが可能となっています。
海外ではインナーのみの販売も行っているようです。

ベルトに着いたワイヤレスディスプレイは面ファスナー(ベルクロ)で貼り付いているので、バイクでサーキットを走行する場合はバイクに取り付けた面ファスナーに貼り付けることで、乗車中にいつでも作動状況を確認することができます。

まだ実際にサーキットで使用していませんが、自宅で試着してしてみたところ、結構コツは必要になってきますが、なんとかtech-air 10を着た状態からレーシングスーツを着用することができました。

予想通りtech-air 5同様にエアバッグの脊椎パッドがレーシングスーツに引っ掛かりますが、手が届く範囲でレーシングスーツを引っ張ってみると上まで引っ張り上げることができました。
tech-air 5は何度かチャレンジしてもできなかったので、tech-air 5よりは脊椎パッドの出っ張りが若干引っ掛からない形状になっているのかもしれません。
まあ周りに人がいれば引っ張り上げてもらった方が楽だとは思います(笑)

ちなみにこの記事を書いている2024/4/16時点でAlpinestarsの本国では既にtech-air 7Xという新型のエアバッグが発表されてました…
tech-air 5のようにベストタイプでエアバッグ展開が2回までという仕様のようです。
tech-air 7Xは中間ジッパーを取り外すことでtech-air RACEのように専用のレーシングスーツにジッパーで取り付けることも可能なようです。
tech-air RACEの仕組みと完全互換があるようで、専用のレーシングスーツの腕部分のLEDディスプレイも使用可能だとか。
tech-air 7Xはいいとこどりの製品ですね。

tech-air 7Xが発売されても防御力としてはtech-air 10が最強なのは変わりないようです。

CB250Rにエアバッグ用のワイヤー取り付け

hit-air RS-1 バイク用レースモデルエアバッグシステムの記事にて、CBR600RRでのサーキット走行のためにレース用エアバッグを紹介しました。

サーキット走行のみの使用だともったいないなと思い、CB250Rで遠出する場合などにも使えるようにします。
但しhit-air RS-1は、あくまでもサーキットでの利用を前提とした製品ですので、レーシングスーツを着ていることが大前提となっています。
ですので通常のモデルよりもエアバッグによって守られる範囲が狭いため、レーシングスーツを使用しないにしても、プロテクターの入ったジャケットやパンツなどを着た上から使うようにします。

CB250Rでもエアバッグを使用できるようにするには、車体側にワイヤーを取り付ける必要があります。
ワイヤーをCBR600RRから取り外してCB250Rに取り付けるという面倒なことはしたくないので、ワイヤーのみ購入してCB250Rに取り付けします。

Amazonや楽天などのECサイトでは、現時点では車体側だけではなくその先のワイヤーまでセットになった高いやつしか売っていなかったので、hitairのオンラインショップから直接購入しました。

ここだけであれば税別2,000円で売ってるので、更に別のバイク用と合わせて2個注文したら送料無料となりました。

CB250Rの場合はシングルシートではないので、タンデムシートに穴あけなどは行わずにワイヤーを取り付けます。

車体にワイヤーを結びつける場所は上の写真の場所にしました。
タンデムシートを取り付ける際にワイヤーを挟み込んだりしないよう、覗き込みながらタンデムシートを閉めれば問題なく取り付け可能でした。
ワイヤーはシートとタンデムシートの隙間から出します。

エアバッグを使用しない時は、タンデムシートの中に入れてしまっておくか、タンデムシートのベルト部分に挟んでおけば邪魔になりません。

hitairのエアバッグは海外メーカーのワイヤレス式エアバッグよりお買い得なものの、金額としては決して安くはありません。
車両を複数台お持ちの方は、ワイヤーのみ購入してエアバッグを有効活用してみてはいかがでしょうか。

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hit-air RS-1 バイク用レースモデルエアバッグシステム

久々にサーキットを走ることになりました。
サーキットをより安全に走るためにエアバッグを導入することにしました。

バイク用のエアバッグにも色々と種類があります。
最近はバイクとエアバッグをワイヤーで繋がず、GPSや加速度センサーで転倒や衝突を検証して作動するものもあります。
AlpinestarsやDINESEが出しているのがそうなのですが、エアバッグ本体自体が10万円前後する上に、エアバッグを作動させるとボンベ交換に5万円ほど掛かります。

流石に高すぎるので、私の場合はhit-airというバイクエアバッグを最初に広めた日本のメーカーのものを購入することにしました。
サーキット走行を前提にしたレースモデルRS-1にしました。
本体自体は5万円前後でエアバッグが作動しても穴などが開いてなければ2千円ちょっとのボンベを購入すれば再利用が可能です。
非常にリーズナブルなエアバッグシステムです。

hit-air RS-1

作動すると下の写真のようにエアバッグが膨らみます。

脊髄や腰から下は基本守られてません。
これはレーシングスーツの上から着る前提のため、脊椎パッドや各種プロテクターを既に装着しているからです。

hit-airの製品はバイクとワイヤーで接続する必要がるので、エアバッグに付属して来たワイヤーをバイクに取り付けます。

ワイヤーをしっかり固定するためにタンデムシート内のボルトを頭が輪っか状のボルトに交換しました。

マフラーのヒートガードを固定しているボルトを交換します。

そのまま締め込んだらゴムブッシュがめり込んで行ったので、大きめのワッシャーを間に入れて締め込みました。
ここにエアバッグ用のワイヤーを固定します。

ワイヤーはタンデムシートの上に出す必要があるので、シングルシートに交換している私の場合だと、シングルシートに10mmの穴を開ける必要があります。
が、CBR600RR純正のシングルシートは既に完売で手に入らない状態となっているので穴を開けたくありません!
(中古品が4万円で売買されているような状態です)

ということで中華製のコピー品シングルシートを購入してみました。

左側が中華製コピー品で右が純正品です。
色は同じレッドでも結構色合いが違います。

取りあえず車両にはめてみましたが、非常に入れるのが固いしキー部分のロックも効きません…
このままでは使えないので違いを見てみました。

上の写真が純正で下の写真がコピー品です。

ロックが掛かる部分までプラスチックで覆われているため、プラスチックが邪魔をしてロックが掛かりません。
なので、余計な部分を削り取ります。

上の写真くらいまで削ったらロックが掛かるようになりました。

シングルシートを入れる時に固いのは下の写真の部分の高さが違うからでした。

上が純正で下がコピー品です。

コピー品の方が高さが3mmほど低いため、フック部分が早めに当たって奥まで押し込む時に抵抗があります。
が、グッと押し込めばロックがかかるところまで入るので、今回は削ったりせずにそのまま使うことにしました。

コピー品なので何の躊躇もなく10mmの穴をドリルで開けてゴムブッシュを取り付けます。

ゴムブッシュの穴にワイヤーを通します。
通したワイヤーを交換した輪っか状のボルトに通して固定します。
(固定方法はhit-airのマニュアル通りにします)

これで車体とワイヤーを繋ぐことが出来たので、タンデムシートを入れてロックさせれば完了です。

あとはバイクに乗った後でエアバッグから出ているワイヤーと車体から出ているワイヤーをパチッと繋いでやればエアバッグの準備完了となります。

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