GPD Pocketの充電について

今回はGPD Pocketの充電について書きます。

GPD PocketはType-Cの端子を持っており、USB PD(USB Power Delivery)での充電に対応しています。
USB PDは高速な充電を可能にする規格です。

今回のテストではGPD Pocketに付属する充電器、60W対応のMicro Solutionの充電器、60W対応のSpectre13付属のHP純正充電器を利用しました。

以前使っていたノートPCのAsus Transbook3や、現在使っているHP Spectre13もUSB PD対応の機器です。
Transbook3が45W、Spectre13が60Wで充電可能ですが、GPD Pocketは20Wでの充電が可能なようです。

ただ普通に充電してる時にPlugable USB-C 電圧・電流チェッカーで計測してみたところ、最大でも10Wでしか充電しませんでした。

下の写真のようにPlugableのチェッカーをGPD Pocketに繋ぐと表示が上下逆になってしまいますので、以降の写真は全て上下逆さまにしています。

まずバッテリーが減った状態で充電を始めました。
最初は約10Wで充電されています。

バッテリの容量が増えてくると約5Wまで充電量が下がります。

満充電になると1.75Wで電流が流れ続けるようですが、これはFANが回っているのもあって、実際に充電はされていないが電流は消費されている状態のようです。
(バッテリー充電には制御が入っているので、満充電のまま更に充電し続けるような危険なことはありません)

なぜか20Wでの充電が行われません。
不思議に思って調べてみるとGPD Pocketは完全に電源OFFの状態から充電を始めると10Wでしか充電されないのだそうです…

Windowsを起動してから充電を行えば20Wで充電をするとのことで試してみました。
確かに約20Wでの充電が始まりました。

一旦20Wでの充電が始まれば、Windowsを終了して電源OFFの状態になっても引き続き20Wでの充電が続くとのことなので、実際に電源をOFFにしてみました。

問題なく電源OFF後も20Wでの充電が続きました。

ちなみにGPD PocketはType-Cの端子こそあるもののThunderbolt3には対応していないため、Type-CのAlternate Modeを利用した外部モニタ接続や、外部のグラフィックボードを利用するeGPUには対応していません。

試しにGTX-1070を搭載したRazer Core Xの外部GPUにType-Cで接続しましたが、GPD Pocketにはエラーメッセージが表示され、USB PDの充電すらも行われませんでした。
Thunderbolt3は駄目でもUSB PDでの充電くらいはいけるかと思ってましたが、Razer Core Xでは充電すら駄目でした。

GPD Pocketの熱対策(ファンの静穏化)

GPD Pocketは小型故の弱点があります。
冷却のためのファンも必然的に小さくなってしまうため、ファンが回転すると風切り音が結構してしまいます。
Atomという省電力なCPUを採用しているのでファンはあまり回らないのかと思っていましたが、何も操作しない時以外はほとんど回っています。

これが気になって熱対策をしている人は結構いるようです。
対策で多いのは「CPUグリスの塗り替え」と「熱伝導シートを貼る」の2通りのようです。

私はデスクトップのCPUを殻割するくらいなので、CPUグリスは自宅にありますが、グリスの塗り直しでは効果が薄いという人が多いようです。
(CPUグリスの常識である薄塗りをすると、逆に悪化したという報告例もあるようです)

そこで最初からグリスの塗り替えは行わずに熱伝導シートだけで対策することにしました。
使うのはとても評判がいいThermal Grizzly社製の高性能サーマルパッドになります。
(殻割する人にはクマメタル化などでお馴染みのメーカーです)

Thermal Grizzly minusPad8 オーバークロッカー向け高性能サーマルパッド TG-M8-120-20-20-1R

今回はアルミ筐体へ熱を逃がすべく、厚さが2mmのものを使用しました。

裏ブタのネジを6本外せば裏ブタが外せます。
(液晶ヒンジ側の真ん中の1本だけネジの長さが長いので、取り付ける際には注意が必要です)

メモリと元々サーマルパッドが貼ってあるチップ周りを中心に、結構適当に貼っていきました。
(元々貼ってあったものは剥がしてから貼りました)
バッテリーは大して熱くならないので無視で構わないと思います。

作業を終えて実際に動かしてみると多少はマシになった気はしますが、やはりファンは結構回ります。
まあ裏ブタを触るとそこそこ温かくなっているので、効果がないわけではないと思います。

次にやったのは、直接ファンを制御しているサービスが見ているレジストリの値を変更することです。
そもそもファンが回り始める温度が低すぎでは?という疑問が湧きました。

GPD Pocketのドライバ集GPD pocket drivers(20170509)の中にあるFandevice/wfan0109.regが制御する温度をレジストリに登録するファイルです。
中身を見てみると
“t0″=dword:00000028
“t1″=dword:0000003c
“t2″=dword:0000004b

となっており40℃でファンが回り始めるのが読み取れます。
(設定は16進数で書かれており、16進数の28は10進数では40になります)
40℃、60℃、75℃でファンの回転数を変えるようです。

今回はファンが回らなくてもアルミ筐体である程度熱を逃がせるように対策もしたことですし、40℃の部分を少し引き上げようと思います。
“t0″=dword:0000002d ← 45℃にする場合

ぶっちゃけ50℃でも問題ない気はしますが、取り合えずは45℃で様子見をすることにしました。

値を書き換えて保存したらファイルをダブルクリックして実行すれば、レジストリの値が書き換わります。
レジストリの値を書き換えた後は、Windowsを再起動すれば設定した値が反映された状態でサービスが動き始めます。

この辺の数℃は、ファンが回転するかしないかに結構影響するようで、ファンの回転が結構少なくなりました。
(もちろん負荷が掛かれば、今までと変わりなくガンガン回りますが…)