タイヤのリアルタイム温度計測

サーキットをハイグリップタイヤやレース用のタイヤで走る場合、タイヤウォーマーを使用してタイヤを温めてから走行します。

温めるといっても季節や路面温度によってタイヤの温まり方や冷え方が変わるので、走行中のタイヤの温度は結構気になります。

寒い時期でピットレーンでの待機時間が増えればタイヤは一気に冷えますし、夏はアスファルトが高温になっているため走ってる最中にタイヤの温度が上がってグリップしなくなります。

走行後にタイヤの温度や空気圧を測ったりしますが、走行中にリアルタイムでタイヤの温度を知りたい!という欲望が止められず温度計を設置することにしました(笑)

KOSO(コーソー) Mini4 表面温度計&電圧計

非接触型の体温計と同じ仕組みのセンサーを使った表面温度計です。

タイヤの温度を測るのが目的なので、当然ながらセンサーをタイヤに向けなければなりません。
タイヤにはインナーフェンダーがあるので、それを避けつつタイヤにセンサーが向く場所を探します。

この位置に取り付けました。
タイヤはサーキットのコーナー次第で右は温まったけど左は温まってないとかあるものの、センター・右・左と付けるわけにもいかないので一番設置しやすかった左にしました。

表示部の設置場所は結構悩みました。
もう少し見やすい位置がよかったのですが、ステートなどを使って取り付けなきゃいけないので、付属のベルクロ(面ファスナー)で取り付けれるこの位置にしました。

マニュアルを読むと「センサーから測定対象物までの距離で表示温度が変わります。」と書いてあったので表示温度はあくまでも参考値かと思います。

タイヤウォーマーを外した直後の温度を見ておいて、それからどれくらい上がったのか・下がったのかを見ることで、現在のタイヤの状況を把握するくらいには使えそうです。

CBR600RR レースベースのデータロガー ブレーキ圧力センサー編

CBR600RR レースベースのデータロガー
CBR600RR レースベースのデータロガー ストロークセンサー編の続きです。

構想から約3か月、やっとブレーキ圧力センサーが完成しました。
失敗すると危険なブレーキ周りで且つ特殊な人にしか需要がないのであまり詳しくは書きませんが、とにかくパーツ選びに時間が掛かりました。
(詳しく知りたい方はご連絡ください)

油圧ラインには規格が沢山ありますが、今回の圧力センサーの場合は、最終的にバイクのブレーキラインに接続できなければなりません。
バイクのブレーキラインでよく使用されるAN3規格の液圧センサーなどそう都合よくあるわけもなく、センサーと変換アダプターを相当数調べました。

まずバイクのブレーキ圧力に耐えられるセンサーである必要がありますし、センサーの製造メーカーがデータシートを公開している必要もあります。
また、ブレーキという重要部品に使用するため信用できる製造メーカーである必要もあります。
そんな汎用センサーの接続規格は当然ながらAN3ではないため、変換アダプターを介してバイクのブレーキのラインに接続しなければなりません。
(バイク用の専用品は当然売られてますが高価です)

規格と言ってもPT(日本テーパーネジ)・NPT(アメリカテーパーネジ)・I.F(インバーテッドフレア)・C.C(コンケーブフレア)・AN(米空海軍標準規格)などなど…これらの規格にプラスしてネジのサイズまで組み合わさってきます。
色々と調べた結果、これらの条件を満たすパーツを揃えることができたので、ブレーキ圧センサーを作成することにしました。

購入した各パーツを組んで圧力センサーをブレーキラインに接続します。
今回は実際のバイクで試さず、手元にあったCBR600RRの純正マスターシリンダーを使って耐久性のテストを行いました。
ブレーキを強く掛けたままにして丸一日放置し、接続部やセンサーからフルード漏れがないかを確認。
また、手で思いっきりブレーキを握ってセンサーが計測できる最高圧力を超えないかを確認。
同様に破壊圧力を超える可能性がないかの確認を行いました。
(このセンサーの場合は最大計測値の3倍が破壊圧力)

今回のブレーキ圧力センサーにおいては、こういった安全性の確認が最重要だと考えています。
サーキットの300km/h近い速度でブレーキが抜けたら確実に終わりますので…

ブレーキラインにセンサーのラインを割り込ませて油圧を計測できるようにします。
この辺りのフィッティングは車種によって違うため、車種毎に調査して用意する必要があります。

車両に取り付けた後、車両のCANデータ用のADカプラーにデータシートに書かれている電圧が来ているか確認します。

若干の誤差はデータロガーのアプリの方で補正できるので、計算式にちょっと手を加えて正確なデータが出るようにします。

センサーや配線が干渉してハンドル操作を妨げたり、センサーが壊れたりしないように各部を確認します。

センサー取り付け後に実際にデータロガーを起動し、ブレーキを色んな圧力で握ってデータに反映されるかを確認。
全く問題なくブレーキ圧力の数値が取れました。
これで次回走行からブレーキ圧のデータも取得可能となりました。
(リアブレーキは基本使わないのでフロントのみです)

パーツ代も結構安く抑えることができたので苦労した甲斐がありました。

あとは乗り手が頑張ってタイムを出すだけです(笑)

バイク用のトルクレンチについて

トルクレンチ (torque wrench) とは、所定のトルクでねじを締め付けるための作業用工具と、締め付けられたねじのトルクを測定するための測定用工具に使用されるレンチ状の形をしたものの総称である。
※wikiから引用

車やバイクをいじる人にはお馴染みのトルクレンチですが、基本的に1本で全てを賄うのは無理だったりします。
デジタル式のトルクレンチを使えば結構広範囲をカバーできますが、個人的にはカチっとなるプリセット形トルクレンチが好きでそちらを使用しています。

メインで使っているのはTONEの4~20N・m、20~100N・mの2本(差込角9.5mm)とバイクのアクスルシャフトや車のホイルナットを締める高トルク用1本(差込角12.7mm)の合わせて3本を使っています。

この組み合わせで特に問題なく運用できているのですが、サーキット用として車に積んでいるトルクレンチは別で用意しています。
持ち運びするサーキット用の工具はできるだけ少なくしたいと考えた時に非常に助かるのが東日製作所(トーニチ)のモータースポーツ用プリセット形トルクレンチのMTQLシリーズです。

通常のトルクレンチより最小~最大までの対応範囲がワイドになっている製品です。
私が使っているのはMTQL70Nで10~70N・mの範囲をカバーしています。

アクスルシャフトまではカバーできませんが、それ以外であればこれ1本でほぼカバーできてしまいます。
TONEのものより若干メモリが見難いですが、持ち運び用に本数を減らしたい人にとってはとても便利なトルクレンチです。
お勧めです。

レーシングスーツとエアバッグについて その2

以前の記事でレーシングスーツとエアバッグについてを書きかましたが、エアバッグ事情が少し変わりつつあるので「その2」を書くことにしました。

エアバッグ Aplinestars Tech-Air 7Xについてでも記載した通り、線がないワイヤレス方式のエアバッグでもインフレーター(ボンベ)交換が自分でできるようになってきています。
日本でメジャーなダイネーゼ、HYODのエアバッグもインフレーター(ボンベ)を自分自身で交換可能となっています。

少し前までの「展開したらメンテナンスに出す」から「展開したら自分自身で交換」へと流れが完全に変わってきました。

AlpinestarsのTech-Air 7Xもそのうちの1つですが、Tech-Air 7Xはレーシングスーツに組み込むことができ、以前からあるエアバッグTech-Air Raceと組み込み規格に互換があります。

私はTech-Air Raceが組み込めるレーシングスーツを所持していないので、今回新たにTech-Air 7X組み込み対応のレーシングスーツを購入しました。
※Tech-Air Raceが組み込めるレーシングスーツを所持している方はTech-Air 7Xを組み込むことが可能です。

Alpinestars GP Plus V4 Sprint

日本国内では未発売なので海外からの輸入となります。
輸入品なのでMFJのタグはなく、国内のMFJ主催レースには出場できません。

日本国内の正規代理店である岡田商事がTech-Air 7X対応のGP-R7 LEATHER SUITの取り扱いを開始したので、MFJ公認が必要な場合はGP-R7を購入するといいかと思います。
※但し現時点では岡田商事がTech-Air 7Xを取り扱っていないので、Tech-Air 10を使用することになります。Tech-Air 7XはTech-Air Raceに取って代わると思われるので、近いうちに岡田商事でも取り扱いが始まるのではないかと思っています。

今回Tech-Air 7X対応として発売されたGP-R7やGP Plus V4 Sprintは、Tech-Air 7Xをレーシングスーツ内に完全に組み込むことが可能です。
エアバッグ本体をメッシュインナーと革の間に組み込むこで今まで以上に快適にエアバッグ+レーシングスーツを使用することが可能となりました。

Absolute V2とTech-Air 10も同じようにインナーと革の間に組み込むことが可能ですが、組み込む手間は明らかにTech-Air 7Xの方が楽になっています。
レーシングスーツに組み込み後の充電も前からタイプCを挿して充電できるTech-Air 7Xの方が圧倒的に使いやすいです。

海外の動画ですが、Tech-Air 7Xの組み込みが分かりやすく解説されているのでYouTubeのリンクを貼っておきます。

エアバッグ Aplinestars Tech-Air 7Xについて

エアバッグについては過去にも記事を書いてきましたが、今回はTech-Air 7Xを購入したので紹介します。

そもそもワイヤレス方式のエアバッグであるAplinestarsのTech-Air 5とTech-Air 10を所持しているのに追加でTech-Air 7Xを購入した理由から書きます。

ワイヤレス方式のエアバッグは最初にTech-Air 5を購入しましたが、レーシングスーツの下に着るのには色々と駄目な部分も多く、レーシングスーツに組み込んで一体型になるTech-Air 10を追加で購入しました。
その際にTech-Air 10を組み込み可能なAbsolute V2というレーシングスーツも購入しました。
Tech-Air 10はエアバッグがカバーする範囲もTech-Airシリーズの中では一番広く問題なく使用していました。

そんな中、CBR250RRでのSPA直入走行中に転倒しエアバッグが展開しました。
外に着る国内メーカー製のhit-airと違い自身でボンベ交換ができないため、ボンベ交換のためにTech-Air 10をメンテナンスに出すことになりました。
当然ながらメンテナンス中は使えませんしボンベ交換の金額も31,000円掛かります。
※Tech-Air 10はエアバッグの守備範囲が広いのもあり、実は1回の展開で2つのボンベを使用するそうなので、ボンベ1本あたりで考えると31,000円はそこまで高くないのかもしれません。

ボンベ交換のメンテから帰ってくるのを待ってる間もサーキットには行くので、予備のエアバッグが必要になりました。
hit-airやTech-Air 5も所持しているので予備がないわけではありませんが、できれば一体型を使いたい。
また、レーシングスーツも傷と破れが発生したため、お世話になっているレーシングショップのRSGさんへ補修に出すことにしました。
エアバッグだけでなくレーシングスーツも予備があったらいいなと思いネットで色々と見てると、前から気になっていたTech-Air 7Xが海外のサイトで売ってるのを発見しました!
国内では未発売、海外でも品薄・売り切れで今まで購入できなかったのですが、購入できると分かった時点で買わない選択肢はありませんでした(笑)

ナンバリングの通りTech-Air 7XはTech-Air 10よりも価格が安く、エアバッグで守られる範囲も少ない製品です。
しかし、守備範囲が狭いというデメリットを補って余りある魅力がTech-Air 7Xにはあります。

1つ目はTech-Air Raceと同じ2回までのエアバッグ展開が可能なこと。
2つ目は自分自身でボンベの交換ができること。
またTech-Air Race、Tech-Air 7X対応のレーシングスーツであれば接続して一体型にすることができます。
(Tech-Air Race用のLEDディスプレイに有線接続することもできます)

交換用インフレーター(ボンベ)はhit-airのように安くはありませんが、現在の価格で1本あたり13,000円ほどです。
最大4回展開させるとメーカーメンテナンスを推奨ということみたいですが、4回展開させたからといってロックが掛かったりすることはないそうです。
また展開してボンベ交換する際に自分自身でエアバッグに漏れがないかチェックするためのツールも付属します。

注文してから3日で海外から届きました。
早速開封します。

今までのTech-Airシリーズとは違ってリサイクル箱みたいな箱に入ってました。
エコとかもここまで来ると正直げんなりします…

レーシングスーツと接続しない場合は、ベストタイプ同様にスタンドアローンで使用可能です。

背面のカバーを開くとボンベやバッテリーが見えます。

ボンベの交換方法もマニュアルに載っているので初めてでも問題なく交換可能です。
(マニュアルには日本語での記載もあり)

Tech-Air 7Xは国内ではまだ未発売のため、当然ながら専用ボンベも国内では手に入りません。
なのでエアバッグと一緒に専用ボンベも2本注文しました。
予備のボンベを使わないに越したことはないですが…

Tech-Air 7X対応のレーシングスーツも一緒に購入したので、そちらについてはまた後日。

レーシングスーツ用のハンガー

レーシングスーツ(皮ツナギ)をハンガーに掛けていると結構な確率でハンガーが壊れます。
レーシングスーツに最初から付属しているハンガーですら使ってると壊れます。

フックがプラ製だとフックの部分が曲がったり、フックが金属製でもフックの部分だけ根元から取れたり…
普通の洋服と違ってレーシングスーツはかなりの重量があるため、普通のハンガーでは持ちこたえることができません。

ただAlpinestarsのAbsolute V2に付属のハンガーは、流石フラッグシップというべきか、フックの裏がナットで止められているという他ではあまり見ない作りで結構頑丈でした。
まあ高級ツナギをそうそう買えるわけもなく、ハンガー問題で頭を悩ませていました。

このレーシングスーツのハンガー問題を解消すべく頑丈なハンガーを探してみたらところ、
レーシングスーツの国内メーカーであるHYODから専用のハンガーが発売されてました。

HYOD PRO HANGER HRA001N

アルミパイプに金属製のフック。
そしてフックはアルミパイプを貫通して下で抜けないように丸く曲げてある。
専用に作られただけあって流石です。
HYODのHPには以下のように書いてありました。

色は二色展開でオレンジとブラックです。
今回は両方買ってみました。

実際にレーシングスーツを掛けてみましたが、その謳い文句通りかなり頑丈にできています。
1箇所だけ気になった点はフックの開口部分が狭いことです。
太いパイプに掛ける場合はフックを引っ掛けるのにちょっと手間取りました。
もちろんレーシングスーツが重いので掛ける時に力がいるからというのもありますが。

レーシングスーツのハンガーに困っている方にはぜひお勧めしたいハンガーです。

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主にPC、車・バイク、トイガンなどについて書いてます