レースベース車両のデータロガーについて書かれているサイトがあまりないので、市販車には関係のない内容ではありますが書いてみることにしました。
全日本 ST600クラスに出場している日本郵便HondaDreamの小山知良選手が全日本で走っている時の走行データが約2年ほど前にYouTubeで公開されました。
(小山選手は21年式CBR600RRの開発ライダーでもあります)
この走行時のデータは自分のマシンでも同じように取得することができます。
もちろん市販車のCBR600RRでは難しく、レースベース車両での話となります。
2BL-PC40以降(ウイングレット付きの車両)では、車両の情報をハーネスにあるコネクタからCANデータで取得することができます。
そのCANデータやオプションのセンサーで集めたデータを記録するデータロガーがHARC-PROから発売されています。
オプションでLAFセンサーやサスペンションのストロークセンサー、ブレーキ液圧センサーなどを取り付ければ、YouTubeに公開されたデータとほぼ同等のものを取得することができます。
特にLAFセンサーは空燃比を取得する上で重要となるため、データロガーとセットで取り付けられることが多いようです。
ストロークセンサーや液圧センサーは結構高価なので、私は今回LAFセンサーのみオプションで取り付けました。
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GPSアンテナユニットはデータロガーに標準で付属しています。
GPSで各サーキットのスタートライオンの位置を特定し、スタートライン通過時に純正メーターへラップ信号を送ることで、純正メータのラップタイマーを自動で動作させることができます。
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レースベース車両はHRCが無料配布しているデータセッティングツールを使用することで燃料調整を行うこともできるため、データロガーに取り付けたLAFセンサーで空燃比を知ることができれば、自分自身でECUのチューニングが可能となります。
燃料調整だけでなく、トラクションコントロールの効き方や効き始めるスリップ量などを各ギアごとに細かく設定できます。
エンジンブレーキも同様にギアごとに細かく設定が可能です。
市販車では数字で10段階中何段階目という設定ですが、レースベース車両では非常に細かく設定することができ、自分の走り方や走るサーキットに合わせたセッティングを行うことが可能となっています。
データロガーを購入したHARC-PROでは、データロガー以外にもレースベース用のパーツが色々と売られてるので、ヘッドライトステッカーやHRCラジエータ用のラジエーターコアガード、2024年からST600で義務化されたセーフティーライト、シートカウルサポート(シートカウルがバタつかないようにするためのもの)も購入して取り付けました。
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ヘッドライトはステッカーなので近くで見ると明らかに偽物なのが分かりますが、遠目に見ればなんとなく雰囲気は出てると思います(笑)
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FRP製のシートカウルは前方部のネジ3本で止まってるため、そのままだと後ろの方は結構グラグラします。
シートカウル後部をグラグラしないように抑えるのがシートカウルサポートです。
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シートカウルサポートといってもステーにスポンジが付いていて、カウルを下から支えるだけの構造なので自作も可能です。
(ちなみにステーとスポンジを固定する両面テープは同梱されていないので自分で用意する必要がありました)
HARC-PROのシートカウルサポートは高額でもありませんし、作る手間を考えたら購入した方がいいという判断になりました。
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HARC-PROのセーフティーライトは車両ハーネスにカプラーオンで取り付け可能なので手軽に追加できます。
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これで後方からの視認性向上とシートカウルのバタつき防止が完了しました。
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各HRCサービスショップが販売するCBR600RRレースベースのST600用コンプリート車両は、市販車をホンダドリームで購入する金額+ちょっとくらいで購入できますので、本格的にサーキット走行をしようと考えている人にはリーズナブルなのでお勧めです。
レースベース車両はホンダドリーム(一部の購入可能な店舗があります)では購入できませんので、全国のレーシングショップやHRCサービスショップへ問い合わせてみてください。