CBR600RRレースベースのハンドルを交換

CBR600RRレースベースにブレーキ用のリモートアジャスターを取り付けようと思っていたのですが、記事「’21 CBR600RRのbrembo Corsa Corta 19 RCSにリモートアジャスターを取り付け」でも書いたように純正のハンドルにはほぼ隙間がありません。

レースベースで使用しているアクティブのビレットレバー用のリモートアジャストワイヤーでは、以前のBremboの時にやったようなボルトへの共締めでの設置もできません。
純正ハンドルのポジションに不満があったわけではありませんが、リモートアジャストワイヤー取り付けのためにハンドルを交換することにしました。

この車両はバトルファクトリーのコンプリート車両なのでハンドルもバトルファクトリーのアルミビレットハンドルを使用することにしました。
(程度の良い中古が安く手に入ったというのも理由の1つです!)

純正ハンドルの開き具合を覚えておきたかったので養生テープでマーキングしてからトップブリッジとハンドルを取り外しました。
純正のハンドルはストッパーがあるので高さと開き具合など決まった位置にしか取り付けできませんが、社外のハンドルは自由度が高いためどの位置に取り付けるかはユーザー任せです。

トップブリッジを止めてるステムのナットは30mmで締め付けトルクは103N・mです。
トップブリッジはステアリングダンパーとも繋がっているので、先に接続部分を外しておく必要があります。
ちなみにレースベースのステアリングダンパーは電子制御ではなく機械式となっています。
電子制御のステアリングダンパーにHRCのECUを組み合わせると最弱固定になってしまうため、最初から機械式が組み込まれて売られています。

右側のハンドルはグリップはそのままで入れ替えることができますが、左側は直接ハンドルバーにグリップが付いているのでグリップも外す必要があるため若干面倒です。

ハンドルのスイッチボックスにあるポッチ(出っ張り)を刺すための穴の位置を決めるのがまた面倒くさいです。
この穴の位置をミスると微妙な位置にスイッチボックスが付くことになります。
バトルファクトリーのハンドルバーは部品で1400円(税抜)で購入できるので失敗しても取り返しは付きますが、送料込みの価格と手間暇を考えると失敗したくはないところです。
※バトルファクトリーのアルミビレットハンドルは、ボルトを緩めるとハンドルバーの回転は可能なのでバーエンドからの長さの位置を失敗しなければ回して位置調整は可能です。

ハンドルをフロントフォークにセットしたらステムナットを規定トルクで締めて、あとはハンドルの位置調整となります。

ハンドルが変わることで、右ハンドルのボルトと共締めされてるクラッチワイヤーなどを支えるステーが全く取り付けできなかったので、ギリギリまで削ってみたのですが、やはりそれでも取り付け不可で無駄な努力に終わりました…

クラッチワイヤーやケーブル類は結束バンドで所定の位置に来るように調整することにしました。
この辺りの加工も純正ハンドルを使用しない場合は必要になる処理です。

左右のハンドルの角度を同じにするハンドルセットツールがBabyFaceから販売されていますが、そこそこのお値段なので目視で調整!
大まかな開き具合は最初にやったマーキングに沿って決めました。

この左右の調整作業ってツールを使用せずに簡単に上手く調整する方法ってあるんだろうか?

注文したアクティブのリモートアジャストワイヤーがまだ届いてないので取り付けていませんが、クラッチ側に取り付けるための隙間を作ることができました。
バーエンドは純正のものは使えなくなるので、別途バーエンドを用意する必要があります。
ボルトを締め込むことでハンドルの中で広がって抜けなくなるタイプのバーエンドを使用する必要があります。
(バトルファクトリーのハンドルセットに付属のバーエンドキャップはもちろん使用可能です)

コンプリート車両に標準装備のバトルファクトリーのレバーガードは無加工でそのまま使用可能です。

バトルファクトリー製品は他のレース部品メーカーよりも安いものが多く在庫切れ時の供給も結構早いので、転倒前提のサーキットユースでは非常にありがたいメーカーだと思います。
(鈴鹿サーキットの近くに店舗があるようで、転倒してパーツ破損した場合は店舗にパーツを買いに走る人もいるそうです)
他よりも価格が安いからといって他より品質が悪いわけではありませんので、個人的にはお勧めのメーカーです。

CBR250RR(MC51)のバックステップを変更

CBR250RR(MC51)にバックステップを取り付けの記事でTSRのバックステップを取り付けましたが、今回別のバックステップに変更することにしました。
理由はMC51用のTSRのバックステップはレーサーシフト(逆シフト)にできないためです。

MC51のバックステップで逆シフトに対応しているものがほとんどなく、まずは対応しているバックステップを探すのに一苦労しました。

バトルファクトリーやエンデュランスは市販車のECUには非対応で、クイックシフターのセンサーの信号方向を書き換えできるレーサー専用設計になっています。
(圧縮された時にシフトアップの動きをするのか、圧縮された時にシフトダウンの操作をするのか、センサーの入力が真逆なるため書き換えが必要)

スナイパーの逆シフト専用のものはABS非対応と書かれていて、ブレーキラインの変更が必要となっていました。
恐らく交換しなくてもギリギリ行けそうな気もしましたが、ダメだった場合を考えてパスしました。

最終的に選択肢として残ったのがBabyFaceとOverRacingの2メーカー。
BabyFaceは逆シフト専用でシフトロッドの角度がかなりあるので、恐らくカウルの大幅なカットが必要そう。
OverRacingの方は基本が正シフトで逆シフト用のキットを別途オプション購入するとこで逆シフトに対応できるようになり、カウルも無加工でOKとメーカーのサイトに記載されてました。

OverRacingが一番問題が起きにくそうだったので、少し高いですがOverRacingのバックステップと逆チェンジキットを購入しました。

上の画像は逆チェンジキットでシフトの動きを逆にするためのものです。

OverRacingのバックステップは半分くらいは組み立て済みですが、逆シフトにするために逆チェンジキットを組み込む必要があります。

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まずは逆シフトにちゃんと対応できるかが気になってしょうがなかったのでシフト側を組み込みました。
そんな心配をよそに全く問題なく組付け完了。

少しシフトストローク量が多いのが気になった以外は動きも全く問題なし。
穴の位置でシフトストロークを減らすことができないか確認してみたのですが、穴の位置を見る限り逆にシフトストローク量が多くなる方向のようなのでストローク量に関しては諦めました。
※ストロークを減らす方向の穴の位置を見逃していたので最後に追記しました。

TSRのバックステップの時にカウルを少しカットしていたのはありますが、この状態では更にカットする必要はありませんでした。

シフト側が無事に取り付け完了したので安心してブレーキ側の取り付けに入りました。

ところが、仮取り付けした時点でエキパイとの干渉が…
このMC51にはトリックスターのレーシングフルエキが取り付けてあるのですが(サイレンサーはうるさかったのでCBR400Rのものに変更)、そのエキパイ部分におもいっきり干渉してブレーキが動きません。
ブレーキスイッチを諦めてスイッチ関連パーツを外したらある程度は動くようになったものの、やっぱりエキパイにあたります。
オーバーレーシングのマフラーだと結構隙間があるのですが、この辺りはマフラーメーカーのエキパイ次第というところでしょうか。

上の写真はオーバーレーシングのものですが、結構逃がすようにエキパイが曲げられてます。

ここまで来て諦めるわけにもいかないので、トリックスターのマフラーの位置をステーを使って少し下げることにしました。

無理して下げてる感じもなく排気漏れもありませんでした。

上の写真は少しピントの位置がおかしいですが、エキパイの位置が下がったことにより干渉がなくなりました。

これくらい隙間があいてます。
ブレーキセンサーも隙間的に全く問題なく取り付け可能に。

多少の調整は必要でしたが、これで無事に市販車MC51の逆シフト化が完了となります。

MC51はメーカー的にはSS扱いではあるものの、サーキット前提だと1000RR-Rや600RRと違って色々と足りない部分が多いので、サーキットユースの場合はレースベース(コンプリート)を購入することを強くお勧めします。

2025/09/21 追記
ストローク量を減らす穴の位置を見逃してました。

赤丸のピロボールを止めているボルトの穴が2か所あって内側に繋ぐことでストローク量を減らせます。
シフトペダルの裏側の醜い部分にあって見逃していました。

リンク部分でシフトペダルに近い側をより円の中心に、ギア側に近い側をより円の外側にすることでストローク量が減ります。
(動かすのに必要な力は増えるのでシフト操作は重くなります)
当然ながら逆のことを行えば効果も逆になります。